牛梁（ウシバリ）

「牛梁」とは、和風建築において屋根の中央を貫く部材。丸太を使うので、曲がった木の形が牛の背骨のようであること、または牛のように太いことが由来だと言われ、中引き梁、牛曳き梁とも言う。木造建築では、屋根の最上部にある棟木と平行に置かれる物は桁と言い、梁は桁と垂直に交わる物を指すが、牛梁は桁方向で、棟木の下に通される。そして中心で小屋梁と交わって、屋根全体を支える。牛梁には主に、平行する二辺が切り落とされた松の丸太を使用する。京町家では、通り庭（裏口まで続く土間）の梁の上に渡される物を言い、数本を継いで作られることもある。長さは10m以上にもなる。牛梁の下に柱はなく、空間となっていることが多い。