漆（風呂）（ウルシ（フロ））

「漆」、または「漆風呂」とは、漆の性質を考えて作られた設備のことである。漆は塗料としても使われるが、乾燥には湿度が必要であり、特殊な環境を作ることが必要。そこで、専用の設備として漆（風呂）がある。大きな物を作るときには、それなりの設備が必要になるが、小物であればダンボールなどで代用可能。塗師風呂や陰室と呼ばれることもある。高温多湿にしなければならず、ほこりが入ると平滑面ができ上がらない。漆（風呂）から出したあとは、面を平滑にするために、研ぎ作業が行なわれる。通常、下塗り、中塗り、上塗りされるが、どの工程のあとも漆（風呂）に入れて乾燥させなければならない。湿度は80％前後、温度は25〜30℃が必要である。