一物四価・一物五価（イチブツシカイチブツゴカ）

「一物四価・一物五価」とは、ひとつの不動産に対して4つの価格、あるいは5つの価格があることを表す言葉。その価格とは、(1)実際に取り引きされる「実勢価格」、(2)国土交通省が地価公示法に基づいて発表する１㎡あたりの「公示地価」、(3)国税庁が贈与税や相続税の算定の基準として発表する主要道路に面した宅地１㎡あたりの「路線価」、(4)固定資産税の基準となり、固定資産税台帳に登録された土地と建物の現状に合わせて算出される「固定資産税評価額」、さらに(5)国土利用計画法に基づいて発表される宅地及び林地を合わせた「基準地価」だ。最初の4つの価格は【一物四価】、これに5つ目の基準地価を含めて【一物五価】と呼ばれる。このようにひとつの土地に異なる価格が設定されるのは、国・地方自治体、さらに売り手・買い手が、それぞれの立場・尺度で土地の価格を算出するためである。