鑑定評価方式（カンテイヒョウカホウシキ）

「鑑定評価方式」とは、原則的に、3つの方式を併用して行なわれる不動産鑑定士による不動産の鑑定評価のことで、不動産鑑定評価基準に基づいて評価される。「鑑定評価方式」における3つの方式は、原価法、取引事例比較法、収益還元法。原価法は価格算定時点における対象不動産の再調達原価を算出、それに続いて減価修正を行ない、対象となる不動産の試算価格を求める手法であり、この原価法で求められた試算価格は積算価格と呼ばれる。取引事例比較法とは、多数の不動産の取り引き事例から適切な事例を選び、実際に行なわれた取り引き価格に、事情補正や時点修正、さらに地域や個別的要因の比較を行なって価格を算出する方法。取引事例比較法による試算価格は比準価格と呼ばれる。収益還元法とは、対象となる不動産が今後、生み出すことが予測される純利益の現在価値の総和を求めることで、対象となる不動産の試算価格を求める。この手法で求めた試算価格は収益価格と呼ぶ。さらに、これには一期間の純収益を還元利回りで還元する直接還元法と、連続する期間の純利益と復帰価格を、現在価値に割り引いて、それぞれを合計するDCF法がある。