手付（テツキ）

売買や請負などの契約締結の際に、買主や注文主が相手方に交付する金銭。手付はその目的により、証約手付、違約手付、解約手付などに区別される。

証約手付
売主と買主との間で、あとで紛争が生じないように「契約が確かに成立した」と言うことを証明するため、買主から支払われる手付金のこと。手付金の受領証が、契約成立の証明書としての意味を持つ。

違約手付
例えば売買代金を支払ってくれない場合に備え、つまり契約違反があったときは没収される趣旨で支払われる手付金のこと。普通は、債務不違約手付履行があった場合の「損害賠償金額」をあらかじめ決めておいて、約束通りきちんと支払われるようにするとともに、債務を支払われなかったときの損害額を証明する手間を省くためのものとされている。

解約手付
手付金を放棄するか、あるいは倍額にして返せば、いつでも契約を解除できると言う趣旨で支払われる手付金のこと。つまり、買主は支払った手付金を放棄することで、いつでも契約を解除でき（手付け流し）、また売主は、買主から受取った手付金を倍にして返せばいつでも契約を解除できる（手付倍返し）。