モケット

「モケット」とは織物の一種で、綿や麻糸にウールや化学繊維等の糸をループ状にして織り込み、織り上がったあとにループを切って毛羽を作った布地のことである。ループ状の糸の色を変えて織ることで、様々な模様を浮き立たせることが可能。毛羽のある厚地の生地で肌さわりが良く耐久性や耐摩擦性にも優れているため、電車やバス等公共交通機関のシート張地としても使われている。また、ラグマットやカーペット、椅子やソファの上張り地への利用も多い。ベルベットやビロード、別珍とも呼ばれ、冬はあたたかく夏は蒸れにくいという機能性や起毛による光の反射によって生まれる独特の光沢から、布の世界では「王様的な存在」と言われ、古くから多くの国で愛用され続けている。