外樋（ソトドイ）

「外樋」とは、建物の外壁や軒先において、その外側に設置される「樋」（とい）を指す。反対語・対称語は、見えないように内側に取り付けられる「内樋」（うちどい）。外樋の主な目的は、屋根に降り注いだ雨を地面の一定の場所に流すこと。この機能により、屋根から落ちた雨水の跳ね返りが減少するため、汚れなどによる建物の傷みの進行を遅らせることが可能。外樋は「軒樋」（のきどい）や「呼樋」（よびどい：「鮟鱇」[あんこう]とも言う）、「縦樋／竪樋」（たてどい）などで構成されている。軒部分に沿う形で設置されている軒樋には、屋根から落ちる雨水を受け止める役割があり、その形状は半円形のことが多い。そして、呼樋によって軒樋と繋がれた縦樋は、建築物の壁面に沿うように垂直に設置され、軒樋が集めた雨水を流す。外樋の素材は、銅や鉄板、合成樹脂など様々。また、数寄屋造り（すきやづくり）の建築物には、外樋に竹が用いられることもある。

「内樋」とは、屋根や壁の内側に作られる、外から見えない樋全般のことを言う。屋根面の軒に近い方（軒先ではない）に作った溝のことを指すことが多い。屋根に落ちた雨水を受けて集め、竪樋に流す役割を持つ。勾配のない陸屋根でも、端の部分に内樋を通すことがある。別名、隠し樋。また、内樋の中でも断面が長方形の物は箱樋と呼ばれる。外樋は、外から見える物全般を指し、軒先に作られる軒樋、地面に雨水を流す竪樋も外樋の一種。内樋は屋根に施工するため、軒樋よりも高コストだが、地上から樋が見えないので、屋根の外観をすっきりと見せることができる。落ち葉などが詰まると雨漏りをすることもあるため、定期的なメンテナンスが必要となる。