特別仕様（トクベツシヨウ）

特別仕様とは、建築物や車などにおいて外装・設備・オプション装備などを、標準の製品と比較して際立った特別な内容にした物のことである。外装や内装、オプション装備などを限定的にしたり豪華に作られた車のことを「特別仕様車」と呼ぶ。建築物において特別仕様とは、主に施主の目的やニーズに沿うように、建物の外装や内装、そのために行なう工事などを、標準的な仕様とは異なる特別な内容の建物に仕上げた物のことである。特別仕様で造られる建物の具体例として挙げられるのは、寒冷地などにおける暖かく地震にも強い特別仕様の住宅や、被災地における復興支援を目的とした特別仕様の住宅など。前者の仕様には、床暖房やセントラルヒーティングの装備、檜を使用し骨太で地震に強い「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」であること、などを満たした家がある。また後者の例としては、「復興支援特別仕様の家」があり、被災地において独自の制震システムを搭載し、地元の構造用集成材を使用することで産業復興を支援している。

「標準仕様」とは、建物の標準とする仕様のこと。外部や室内の仕上がりが仕様となるが、これを一覧にすることによって、なにを標準としているのかということが分かり、これを標準仕様書と呼ぶ。図面や現場説明書では、説明するのに限界がある。そこで、一般事項を書き記しておく必要があるため作成される。しかし、特記事項を記した仕様のほうが優先されていくことになるため、設計図書ということであれば、優先順位は高くない。建物の坪単価は、これが基準となってくるため、標準仕様から算出する。建物を建てる際には、この標準仕様をもとにしていくことになるが、同じ費用で選べる物も用意されていることがある。逆にオプションとして費用が掛かってしまうことも多い。