土地活用 アパート経営ガイド -アパート経営編-

2.事業計画を立案する

アパート経営における家賃

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適正な賃料設定は、土地活用における重要事項のひとつです。
ここでは、アパート経営で適正な家賃を設定する方法と、敷金(保証金)・礼金について解説します。

適正な家賃設定は、アパート経営の最大のポイント

周辺の家賃相場を無視して、過度に高額な家賃を設定してしまうと、当然ながら入居は付きにくくなります。しかし、反対に家賃を低く設定してしまうと、収益金額や利回りが下がってしまいます。適正な「家賃」を設定することは、アパート経営において最も重要な要素のひとつです。

適正な家賃設定がポイント

家賃の設定方法

アパートの家賃を設定する方法には、「比較法」、「積算法」、「収益分析法」の3つがあります。

一般的に、アパートの家賃設定には「比較法」と「積算法」が用いられ、「収益分析法」は、貸店舗や貸ビルなどの事業用物件で用いられています。

1近隣の賃貸事例と比較する「比較法」

「比較法」とは、建設予定地の近隣に建っているアパートの賃貸条件と比較検討して、建設予定のアパートの家賃を決定する方法です。具体的には、以下のステップで比較検討します。

近隣の賃貸事例と比較する「比較法」

「比較法」のメリットとしては、近隣の家賃相場を考慮した上で、入居者様ニーズに合った適正な家賃を設定できることが挙げられます。

ただし、近隣にアパートが少ない場合には、比較が困難になることや、収支計算に基づく家賃設定をしていないことから、採算に合わない家賃額になる可能性があるというデメリットがあります。そのため、以下の「積算法」による試算家賃と調整し、設定すると良いでしょう。

2アパート経営の採算性を重視する「積算法」

土地の取得費用や、建物の建築費用など、アパート経営に必要な資金・費用を積み上げ、そこから適正な家賃を算出する方法が「積算法」です。

アパート経営に投資した資金に対し、適正な利回りを確保するためには、家賃をいくらに設定すれば良いかという観点から、家賃を算出します。計算式は、下記の通りとなります。

「積算法」に基づく家賃設定

「積算法」に基づく家賃設定

「積算法」は、アパート経営における投資利回りを重視した家賃の設定方法で、オーナー様にとっては理想的な方法ですが、入居者様が求める家賃水準に必ずしも一致するとは限りません。家賃の設定を間違えると空室率の上昇を招いてしまうため、注意が必要です。

3貸主の収益性を重視する「収益分析法」

事業用物件(貸店舗、貸ビルなど)の家賃設定方法に「収益分析法」があります。貸主が物件を賃貸することで、どれだけの収益を得られるかを算出して、家賃を算出します。計算式は、下記の通りとなります。

「収益分析法」に基づく家賃設定

「収益分析法」に基づく家賃設定

敷金(保証金)・礼金の設定

アパート経営では、家賃の他にも入居者様から敷金(保証金)や礼金を受け取ることが一般的です。敷金(保証金)や礼金は、入居時の初期費用として一括で支払うケースが一般的で、入居者様の負担が大きくなります。そのため、敷金(保証金)を相場よりも低く設定することや、礼金を設定しないことで入居促進を図るケースも増えています。

また、敷金(保証金)や礼金の相場は、地域によってもかなり異なりますので、近隣の相場についての情報収集を行なった上で、設定すると良いでしょう。

敷金(保証金)の相場

敷金(保証金)とは、入居者様がオーナー様に預け入れるお金のことで、退去時に入居者様が負担すべき原状回復費を差し引いて返金します。また、家賃の未払いなどの債務が発生した場合にも敷金(保証金)から差し引くことができます。

敷金(保証金)の相場は、地域によってかなり異なりますが、全国的に家賃の2ヵ月分前後が一般的です。

礼金の相場

礼金とは、アパートの賃貸借契約を結ぶ際、入居者様からオーナー様へお礼の意味で渡されるお金のことです。敷金とは違い、契約が終了しても入居者様に返金する必要はありません。礼金は地域の慣習により、設定されます。

東建コーポレーションでは土地活用をトータルでサポート。豊富な経験で培ったノウハウを活かし、土地をお持ちの方や土地活用をお考えの方に賃貸マンション・アパートを中心とした最適な土地活用をご提案しております。こちらのページでは、「土地活用 アパート経営ガイド アパート経営編」の「事業計画を立案する」から「アパート経営における家賃」についてご紹介。適正な家賃を知るためには、近隣の物件と比較する「比較法」や採算性を重視する「積算法」などがあります。それぞれの特徴を比較し、自身に適した方法をお選び下さい。