土地活用 アパート経営ガイド -アパート経営編-

5.商品競争力を維持するために

アパートのリノベーション

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土地活用は、始めた後の対応も重要です。アパート経営においても、築年数が経過すると設備が古くなり、入居希望者様のニーズにお応えできないアパートになってしまうと、入居率が低下してしまう懸念があります。
そこで、建物に新たな価値を生むリノベーションを行うという方法があります。

リフォームとリノベーションの違いは?

リフォームも、リノベーションも、よく耳にする言葉ですが、少し意味が異なります。

リフォーム 住居の改修全般を指し、経年劣化したクロスや住宅設備等を新しくすることで、住宅価値を回復させること。老朽化した建物を新築の状態に復元させるという意味で使われることが多く、原状回復とも言われる。
リノベーション リフォームの一部で、住宅に新たな価値を見出すために、間仕切りの壁を取り払って広い間取りに変更するなど、元のアパートよりも住宅性能を向上させて、新たな価値を見出していくこと。大規模な工事になることが多い。

リノベーションをすることで、時代のニーズにあったアパートになり、競争力の向上が期待できます。以下に例を挙げながら解説していきます。

例①収納を増やすリノベーション

壁面に造り付け収納を設置

壁面に造り付け収納を設置

アパートには、柱や梁などで室内に出っ張り部分がある部屋もあります。普段は邪魔な柱や梁ですが、この出っ張りを隠すよう壁面に造り付け収納を設けると、収納スペースを造り出すことができます。

造り付け収納を始めから設置している部屋は、入居者様も引越し時に収納家具を買う必要がないため、特に、たくさんの衣服や私物品などを持つ女性に人気があります。

造り付け収納を設置する際に、収納扉を壁面や建具などと色調の合うイメージの扉やミラー扉に取り替えると、開放感が出て室内を広く見せることができます。

また、家具付きで賃貸する場合は、収納家具の色を他の家具の色と統一(カラーコーディネイト)することで、部屋全体をすっきり見せることができます。

デッドスペースを収納に

収納スペースを確保することが難しいアパートでは、デッドスペース(利用できていない空間)を活用することが大切です。

一階のキッチンや廊下などに、床下収納を設置するのはデットスペースの有効な活用方法のひとつです。

デッドスペースを収納に

押入れをクローゼットに

押入れをクローゼットに

最近では、和室よりも洋室を好む入居者様(特に若者)が増えており、和室から洋室にリフォームするケースが増えてきています。この場合、押入れをクローゼットにリノベーションすることで、洋風のモダンな雰囲気に変身し、入居も付きやすくなり、空室の目立つ物件には効果的です。

また、一枚扉のクローゼットにすることで、使い勝手の良い収納スペースとして、書庫やコレクションなどの専用収納スペースとしても活用できます。その他にも、扉を物の出し入れがしやすいフルオープンの折り戸にすれば、利用しやすいだけでなく見栄えも良くなります。

例②使いやすいキッチンへのリノベーション

最近は、本格的に料理づくりを楽しむ人や、美食を趣味とする人が増え、女性を中心にキッチンをお部屋選びのポイントにする人たちが増えています。

キッチンのリノベーションを考える場合は、そのような利用者の立場から見て、必要とするキッチンの作業スペースや、使いやすく足腰に負担のかからないシンクの高さ、収納スペースの十分な確保などを検討し、入居者様に満足感を与えることができるように配慮する必要があります。

使いやすいキッチンへのリノベーション

キッチンの奥行きをチェック

以前は奥行き60cmのキッチンがほとんどでしたが、現在は奥行き65cmのシステムキッチンが主流です。システムキッチンだけを新しい物に替えたいという場合は、キッチンの奥行きをきちんと確認しましょう。

IHには専用のレンジフードを

最近では、コンロをIHクッキングヒーターに交換するケースも増えています。IHクッキングヒーターのメリットは、燃焼ガスが出ないため、空気が汚れず、安全性にも優れているという点です。

ただし、従来のガスコンロに比べて、油煙や水蒸気が拡散しやすいという性質がありますので、交換の際には、レンジフードもIH専用の物に交換すると良いでしょう。

入居者様ニーズに適したキッチンスタイルを

キッチンのリノベーションには、キッチンスタイルそのものを変更するリノベーションもあります。

キッチンには、大きく分けて「オープン型」、「セミオープン型」、「クローズ型」の3つのスタイルがあり、このうち「オープン型」は、キッチンとダイニングがひとつの部屋として構成され、キッチンがダイニングに向かって空間が開放されているものです。「セミオープン型」は、キッチンとダイニングがひとつの部屋として構成されているものの、境界やハッチ、カウンターなどによってキッチンとダイニングを遮り、それぞれの独立性を高めたもので、「クローズ型」は、キッチンとダイニングが完全に分離し、それぞれ独立した空間になっています。

大がかりなリノベーションが可能な場合には、入居者様のニーズに適したリノベーションを行なって満室経営を目指しましょう。

入居者様ニーズに適したキッチンスタイルを

東建コーポレーションでは土地活用をトータルでサポート。豊富な経験で培ったノウハウを活かし、土地をお持ちの方や土地活用をお考えの方に賃貸マンション・アパートを中心とした最適な土地活用をご提案しております。こちらのページでは、「土地活用 アパート経営ガイド アパート経営編」の「商品競争力を維持するために」から「アパートのリノベーション」についてご紹介。「リノベーション」は商品競争力の向上が期待できる魅力的な手法です。入居者様と時代のニーズに合ったアパート経営を心がけましょう。