土地の相続税評価方法
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。
土地の評価方法には、市街地やその周辺の土地に適用される「路線価方式」と、その他の土地に適用される「倍率方式」の2種類があります。

土地活用 アパート経営ガイド -税金編-
6.不動産を相続したときの税金
相続税対策を目的として土地活用を行う場合、一般的にはアパート経営などの賃貸住宅経営が適しています。
しかし、相続税対策を適切に行うためには、相続税リスクの大きさを具体的に把握する必要があります。相続財産が現金であれば、評価額は額面通りの金額であるため分かりやすいのですが、土地の場合は、定められた方法で評価額を算出する必要があります。
そこで、実際に使われる相続税の評価方法についてご説明します。
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。
土地の評価方法には、市街地やその周辺の土地に適用される「路線価方式」と、その他の土地に適用される「倍率方式」の2種類があります。
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1m2当たりの土地評価額のことです。
市街地やその周辺土地においては、道路ごとに路線価が定められています。国税庁のホームページで調べることができます。
下の図は、実際の路線価図です。矢印の中に書かれている数字が路線価(①)で、1,000円単位で表示されています(例えば「300」と書いてある数字は、路線価が300,000円であることを示しています)。
なお、数字の右側に書いてあるアルファベット(②)は、借地権の割合を示しており、路線価図上部に凡例が記載されています。
路線価図の例
(東京都足立区青井1-50055)
土地の評価額を計算するには、土地に面している道路の路線価を利用します。上図では、土地に面している道路は1本で、その路線価は30万円です(300 × 1,000円)。
土地の面積は100m2なので、この土地の評価額は、30万円 × 100m2=3,000万円です。
土地の評価額
= 路線価 × 土地の面積
このように、土地の評価額の計算は、「路線価」 × 「面積」で求められますので、路線価を見ることで、土地の価値をある程度把握することができます。
しかし、実際に土地の評価額を計算する場合は、書かれている路線価を、その土地の形状等に応じて補正する必要があります。
例えば、角地や複数の道路に面している土地は利用価値が高いため、一定割合の加算が行なわれます。また、間口が狭かったり、奥行きが深かったりする土地や、不整形地などは、一定割合の減額が行なわれます。
もう少し詳しい図を使って、補正の方法をご説明します。
例えば、下図のように、土地が3本の道路に面している場合を考えます。
3つの道路のうち、それぞれの路線価に「奥行価格補正」をした金額が一番高い道路が、「①正面路線」になります。「①正面路線」を基準に、横側の道路を「②側方路線」、反対側の道路を「③二方路線」と言います。
このような土地の場合、「奥行価格補正」をした「①正面路線」の路線価に、「側方路線影響加算額」と「二方路線影響加算額」を足して補正した路線価に土地の面積をかけることで、土地の正確な相続税評価額が計算できます。
・奥行価格補正
奥行価格補正とは、奥行が短い、または極端に長い土地の場合、その用途が限られてくることから、最大で20%の減額ができる補正です。奥行価格補正率は奥行の長さごとに定められており、国税庁のホームページで閲覧できます。
・側方路線影響加算
側方路線影響加算とは、土地が正面と側面両方の道路に面している場合に、路線価が加算されることを言います。いわゆる角地で、使い勝手が良いため、土地の価値が高くなるからです。
側方路線影響加算額=「②側方路線」の路線価 × 奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率
・二方路線影響加算
二方路線影響加算とは、土地が正面と裏側両方の道路に面している場合に、路線価が加算されることを言います。二方路線影響加算率は、国税庁のホームページで閲覧できます。
二方路線影響加算額=「③二方路線」の路線価 × 奥行価格補正率 × 二方路線影響加算率
また、不整形の宅地は、これらの補正だけでなく、その形状等に応じて不整形補正率を掛けて評価額を計算します。
倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法です。
倍率方式における土地の評価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。 この倍率は、国税庁のホームページで「評価倍率表」として掲載されています。
評価倍率表では、「宅地」、「田」、「畑」など地目ごとに倍率が設定されます。
下の例の「天ヶ瀬町」の市街化調整区域を見ると、「宅地」欄に「1.1」と書かれています。これが、倍率方式における「倍率」であり、「天ヶ瀬町」の「宅地」は、固定資産税評価額を1.1倍することで評価することになります。
評価倍率表の例(東京都青梅市)
土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率
「田」や「畑」などの欄には、「純」や「中」と書かれていますが、これらはそれぞれ「純農地」や「中間農地」等を意味しています。評価倍率表の詳細な見方については、国税庁のホームページをご覧下さい。
東建コーポレーションでは土地活用をトータルでサポート。豊富な経験で培ったノウハウを活かし、土地をお持ちの方や土地活用をお考えの方に賃貸マンション・アパートを中心とした最適な土地活用をご提案しております。こちらのページでは、「土地活用 アパート経営ガイド 税金編」の「不動産を相続したときの税金」から「相続財産の評価方法(土地)」をご紹介。相続財産の評価方法は、道路ごとに路線価が定められ、市街地などに適用される「路線価方式」と、路線価が定められていない地域向けの「倍率方式」の2つがあります。路線価や評価倍率は国税庁のホームページに掲載されていますので、相続した土地を評価する際には確認してみましょう。