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アパート経営を検討する方法と3つの基本法則 - 東建コーポレーション

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アパート経営を検討する方法と3つの基本法則

アパート経営を始めるにあたっては、最初に、どのようなアパートを建てるのが適切かを検討する必要があります。
しかし、何をもって適切とするかは、判断が難しいところです。
アパート経営の具体的なプランは事業計画書に取りまとめられますが、事業計画書に記載された建築費や設定家賃、年間の収支計画などに目を通した際、内容の良し悪しの判断に悩まれる土地所有者様も少なくないでしょう。
適切なプランを選択するには、土地所有者様もアパート経営の基本的な法則を知っておくことが必要です。
この記事では、アパート経営を検討する具体的な方法と、アパート経営の3つの基本法則についてご紹介します。

アパート経営 3つの基本法則

アパート経営の良否を判断するには、基本となる知識が必要です。
そこで、まずはアパート経営を検討する際に知っておきたい、3つの基本法則についてご紹介します。

【1】 間取りは、ファミリー向けより単身者向けの需要が多い

法則のひとつ目は「賃貸市場全体で」という但し書きが付きますが、アパートの間取りは、ファミリー向けよりも単身者向けの需要の方が多いということです。
賃貸需要というのは、端的に言うと「借りたい人の多さ」を指します。
住宅を求める人には「借りる」と「買う」という2つの選択肢があります。
この2つの選択肢のうち「買う」を選択する人の割合は、単身者よりもファミリー世帯の方が多くなります。
単身者の場合、いずれ結婚することを考えると、住宅ローンを組んで単身用の分譲マンションを購入したとしても、将来的には手狭となり、引っ越すことになる可能性があります。
一方で、ファミリー世帯の場合、住宅ローンを組んで自宅を購入することを選択する人が多くなります。
家族の住まいとして、一戸建て住宅には根強い人気があるためです。
よって、あくまで賃貸市場全体での話ですが、単身者向け間取りの賃貸需要は、カップル向けやファミリー向け間取りよりも大きい傾向があります。
もちろん、需要の見込める適正な間取りは、土地の立地条件などによって異なるため、個別に市場調査を行って確認する必要があります。
市場全体としてはこのような傾向があるということです。

【2】 家賃の「㎡当たりの単価」と「戸当たりの総額」は反比例する

2つ目は、アパートの家賃は「㎡当たりの単価」と「戸当たりの総額」が部屋の広さに応じて反比例するというものがあります。
面積の狭いワンルームでは、家賃の㎡当たりの単価が高く、戸当たりの総額は低い。
反対に、面積の広いファミリー向けの間取り(2LDK等)では、家賃の㎡当たりの単価が低く、戸当たりの総額は高くなります。
戸当たりの家賃がワンルームより2LDKの方が高いということはすぐにイメージできると思いますが、それぞれの家賃を部屋の床面積(㎡)で割ると、反対にワンルームの方が2LDKより㎡単価が高くなるということは、ご存じない方もいらっしゃるかと思います。
実際に、単身向け間取りの家賃が5万円の地域で、その倍の広さのファミリー向け間取りは家賃も倍になっているというケースはほとんどありません。
このような法則があるため、基本的には「ひとつの建物に狭い間取りの部屋をできるだけ多く確保する」ことが、高収益なアパート経営を行うためのポイントになります。
ただし、これはあくまで基本です。実際には、立地条件に応じた賃貸需要が見込める間取りの範囲内で考慮すべき法則と言えます。

《 家賃の㎡単価と戸当たり総額の比較例 》

間取り面積㎡単価戸当たり総額
ワンルーム25㎡2,000円/㎡50,000円
2LDK>ワンルーム ワンルーム>2LDK 2LDK>ワンルーム
2LDK 55㎡ 1,454円/㎡ 80,000円

【3】 階層が高いほど家賃が高く、低いほど家賃も低くなる

3つ目の法則は、アパートは、階層が高いほど家賃も高くなり、階層が低いほど家賃も低くなるというものです。
この法則は、中高層の階層を持つ賃貸マンションの方が顕著ですが、アパート経営についても当てはまります。
賃貸住宅の賃貸需要は階層で異なり、基本的には高層階であるほど、賃貸需要は高くなります。
賃貸需要が高ければ家賃も高くなりますので、やはり階層が高いほど、家賃も高くなります。
反対に、低層階ほど、賃貸需要が低くなります。
特に1階は、泥棒に入られる可能性が高い、道路から通行人に見られる等、セキュリティー上、プライバシー上の理由で敬遠されやすくなります。
アパート経営において部屋の人気の順は、大まかに2階角部屋⇒2階中部屋⇒1階角部屋⇒1階中部屋の順となり、家賃も同じ順番で低額になります。

《 アパートの部屋別家賃イメージ 》

アパートの部屋別家賃イメージ

アパート経営を検討する4つのステップ

アパート経営を検討するための具体的なステップについて解説します。
アパート経営を検討するステップは「➊ ご所有地の用途地域を確認する」、「➋ ご所有地に定められた容積率を確認する」、「➌ 敷地の広さと形状を把握する」、「➍ 駅からの距離と周辺環境を把握する」の4つです。

➊ ご所有地の「用途地域」を確認する

アパート経営を検討する場合、まず初めに、ご所有地の「用途地域」を調べることをおすすめします。
用途地域とは、その土地に建築可能な建物の用途を定めた規制のことで、市役所などの自治体で確認することができます。
建築基準法上、アパートの建物用途は「共同住宅」に分類されます。
共同住宅は「工業専用地域」と呼ばれる用途地域以外であれば建築可能であるため、ほとんどの土地で建築可能です。
なお、工業専用地域とは、埋め立て地にあるような大規模な工場地帯が指定されている用途地域です。
そのため、アパートを「建てられるかどうか」については心配をする必要はないと言えますが、もうひとつの用途地域を調べる目的として、「店舗を建築できるかどうかを確認する」というものがあります。
1階を貸店舗とすることができれば、アパートの収益性を大きく上げることができますので、ご所有地に店舗を建てられるかどうかを確認することは重要です。
例えば、「第一種低層住居専用地域」という、主に戸建て住宅が建ち並ぶ住宅街が指定される用途地域があります。
この第一種低層住居専用地域では、原則として店舗を建てることができません。
よって、第一種低層住居専用地域でアパート経営をする場合は、1階にテナントを誘致することはできないということです。
その他、「第一種住居地域」という用途地域では、3,000㎡までの店舗を建てることが可能です。
3,000㎡であれば飲食店や小売店だけでなく、小さなスーパーも誘致できる可能性が出てきます。
このように、用途地域を確認することで、店舗誘致という選択肢の有無や、誘致できる店舗の規模などを確認できます。

➋ ご所有地に定められた「容積率」を確認する

容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合を指します。
例えば、容積率が200%であれば、敷地面積の2倍の延床面積を持つ建物を建築可能ということです。
容積率が400%や600%と高く定められている地域であれば、中高層の賃貸マンションが建築可能です。
これに対し、容積率が100%や150%と低く定められている地域では、低層の賃貸住宅であるアパートが適しています。
容積率が高く定められている用途地域としては「商業地域」や「近隣商業地域」が代表的で、容積率が低く定められている用途地域としては、「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」が代表的です。
容積率は、その土地に建築可能な建物の規模を決定する要素ですので、しっかりチェックすることが必要となります。

➌ 敷地の広さと形状を把握する

アパート経営を行うのであれば、土地面積が少なくとも70坪以上あることが望ましいと言えます。
土地面積が70坪あれば「7.5坪のワンルームが4戸並び2階建て(計8戸)」といった規模のアパートを建てることができ、一定の収益性や節税効果が見込めるためです。
ただし、70坪だと戸数分の駐車場を設けることは難しいため、1部屋につき1台の駐車場を整備する場合、120坪程度の土地面積が求められます。
土地の形状(地形)については、基本的に四角形(正方形・長方形)が望ましいと言えます。
たとえ土地面積が同じであったとしても、四角形の土地の方が、著しく不整形(三角形や台形など)の土地よりも大規模なアパートが建築可能であることが通常です。
なお、狭い土地や不整形な土地の場合などでは、アパート経営よりも戸建て賃貸経営の方が有効な選択肢となることもあります。

➍ 駅からの距離と周辺環境を把握する

ご所有地の駅からの距離と周辺環境についても把握しておくのが適切です。アパートの間取りは、基本的には小さい方が収益性は高くなります。
そのため、基本的にはご所有地の立地条件に対して、できるだけ小さい間取りを検討するのが基本となります。
最も小さい間取りはワンルームですが、ワンルームや1Kといった単身者向けの間取りの需要が見込めるのは、一般的には駅から徒歩10分圏内にあるような土地です。
駅からの距離が離れていくと、だんだん単身者向け間取りの賃貸需要は弱まっていきますので、カップル向けやファミリー向けの間取りを検討する方が適切になってきます。
また、周辺環境を把握することも重要です。
例えば、周辺に学童保育が併設された小学校があれば、ファミリータイプの賃貸需要が高くなります。
また、近隣に評判の高い公立小学校があるような学区が優れた地域も、ファミリータイプの強い賃貸需要が存在します。
小学校は家族世帯の賃貸需要を生み出す重要な施設であるため、小学校の有無を確認することもポイントです。
一方、コンビニやスーパーのように、間取りを問わず賃貸需要の上昇が見込める生活施設もあります。
まとめると、駅からの距離や周辺環境を把握し、その土地で賃貸需要が見込める間取りの中で、小さい間取りを優先して選択するのが基本的な考え方となります。

アパート経営を検討する上でチェックしておきたい
3つのポイント

アパート経営を検討する上でチェックしておきたい3つのポイント

アパート経営を検討する際に、見落とさずにチェックしておきたいポイントを3つご紹介します。

[ ポイント 社宅(社員寮)ニーズがないか確認する

アパート経営を検討する際には、社宅(社員寮)のニーズがないか調べることをおすすめします。
アパートを社宅や社員寮として企業に一棟貸しすることができれば、安定した賃貸経営を行うことができます。
この場合、企業側の希望に合わせて間取りを選択することになります。
ワンルームの社員寮が欲しいとか、ファミリータイプの社宅が欲しいといった、企業のニーズに合わせて建物を建築します。
注意点は、一般的な入居需要が見込める間取りと、企業が求める間取りが異なる場合、企業が撤退、あるいは社宅(社員寮)契約を中途解約されると、入居に苦戦することになるリスクがある点です。
アパートを社宅や社員寮として貸す方法には、一棟貸し以外にも、一定の戸数をまとめて貸す方法もありますので、ご所有地の立地条件や企業が希望する間取りによって、一棟貸しか部屋単位で貸すか、どちらか適切な方を選択することがポイントです。
社宅ニーズは、近隣に支店のある都市銀行や地元の地方銀行が把握しているケースがありますので、取引先の銀行がある場合、社宅を求めている企業がないか銀行に相談してみることをおすすめします。
銀行も企業のニーズには積極的に応えたいため、社宅や社員寮を望むマッチングできそうな企業があれば、紹介してくれるかもしれません。

[ ポイント 店舗誘致の可能性を検討する

アパート経営では、店舗誘致の可能性も検討することもおすすめします。
1階を貸店舗にできれば、収益性を大きく向上させることができますが、店舗が建築できる用途地域であったとしても、店舗の賃貸需要があるかは分かりません。
店舗の賃貸需要については、地域の不動産市場に詳しい土地活用専門会社に確認するようにしましょう。

[ ポイント 「1階」の空室対策を意識する

アパート経営では、1階の空室対策を意識してプランを検討していくことがポイントです。
アパートは主にセキュリティーの観点から1階が貸しにくい特徴があります。
逆に言えば、1階に付加価値を付けて貸しやすくすれば、空室リスクを下げることができ、付加価値により家賃を高く設定できれば収益性も上げることができます。
1階に付加価値を与える方法としては、例えば専用庭を設けたり簡易倉庫を設けたりするような1階部分のみに行う対策と、ホームセキュリティーを導入したり道路からの目線を外したりするような、建物全体に施す対策があります。
また、可能であればオートロック(閉まると自動的に鍵がかかるドア)を導入することも効果が見込めます。オートロックがあれば、インターネットの物件広告サイトで「オートロック付き」で絞り込み検索された場合も検索結果からはじかれなくなります。
オートロックは人気設備のひとつであるため、空室対策として効果的です。

アパート経営を検討する方法まとめ

以上、アパート経営を検討する方法について解説してきました。
アパート経営には「間取りは、ファミリー向けより単身者向けの需要が多い」、「家賃の㎡当たりの単価と戸当たりの総額は反比例する」、「階数が高いほど家賃が高く、低いほど家賃も低くなる」という3つの基本法則がありました。
この3つを念頭に、アパート経営のプランを検討していきます。
検討の具体的なステップは「ご所有地の用途地域を確認する」、「ご所有地に定められた容積率を確認する」、「敷地の広さと形状を把握する」、「駅からの距離と周辺環境を把握する」の4つです。
また、アパート経営の検討を進めるうえではご所有地への社宅(社員寮)ニーズや企業の出店ニーズの有無をチェックし1階の入居対策を施すことがポイントです。
なお、今回ご紹介した一般論だけでは、アパート経営のプランを、ご所有地にマッチした形で適切に検討することは難しいと言えます。
ご所有地に最適なアパート経営のプランニングをご希望される方は、ぜひ、東建コーポレーションまでご相談ください。

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