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データから読み取れる賃貸需要の傾向を解説 - 東建コーポレーション

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データから読み取れる賃貸需要の傾向を解説

賃貸住宅経営では、住宅市場データを確認していくことで、提供すべき賃貸住宅の姿が見えてきます。
国土交通省では、民間賃貸住宅に住む入居者様に対して様々なアンケート調査を行い「住宅市場動向調査報告書」にて結果を公表しています。
この調査報告書のデータからどのような賃貸需要の傾向が見えてくるのでしょうか。この記事では、国土交通省の2022年度「住宅市場動向調査報告書 (以下、報告書)」のデータから読み取れる「賃貸需要の傾向」について解説します。

賃貸住宅の選択理由

報告書では、賃貸住宅の選択理由を調査しています。
2022年度の調査結果は、以下の通りです。

《 賃貸住宅の選択理由 》

順 位 項 目 割合(※)
1位 家賃が適切だったから 46.7%
2位 住宅の立地環境が良かったから 41.8%
3位 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから 34.5%
4位 交通の利便性が良かったから 33.7%
5位 職場から近かったから 27.1%

※複数回答

報告書では毎年同様の調査を行っています。
過去5年間の中で2021年だけ「住宅の立地環境が良かったから」が1位でしたが、その他の年ではすべて「家賃が適切だったから」が1位です。
家賃の設定は入居者様を決めるために最も重要な要素となっており、賃貸経営を行うには高過ぎない適切な家賃を設定することがポイントとなってきます。
また、立地環境も重視されている要素です。立地環境は住宅のデザインや広さ、設備よりも重要視されている部分であり、適切な立地で賃貸経営を行うことも満室経営を維持していく上で重要な要素となります。

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賃貸住宅の探索方法

報告書では、賃貸住宅の探索方法も公表しています。
2022年度の調査結果は、以下の通りです。

《 賃貸住宅の探索方法 》

順 位 項 目 割合(※)
1位 インターネットで 55.6%
2位 不動産業者で 42.4%
3位 知人等の紹介で 12.7%
4位 勤務先で 5.2%
5位 住宅情報誌で 4.5%

※複数回答

賃貸住宅の探索方法は、インターネットが1位、不動産業者が2位です。
賃貸住宅の探索方法に関しても過去5年間の調査が行われていますが、2018~2020年の3年間は、不動産業者が1位となっていました。
インターネットが1位になったのは2021年からであり、まだまだ不動産業者で情報を得る人も多い状況です。
2022年度では不動産業者で情報を得る人は42.4%もいるため、情報ルートとしてはまだまだ大きな存在と言えます。
物件情報を求める人は、明るく開放的で入店しやすい不動産店に訪れる傾向がありますので、物件の管理を委託するのであれば、入居希望者様が入店しやすい不動産店に依頼するのもひとつの選択です。
入居希望者様が入店しやすい不動産店は、必然的に賃貸仲介も強いため、管理を委託すると空室が埋まりやすくなります。

宅配ボックスの有無

宅配ボックスの有無

民間賃貸住宅における宅配ボックスの設置率は34.2%で、64.2%の物件は宅配ボックスがなく、残りの1.6%は無回答となっています。
宅配ボックスは全体の中でまだ34.2%しか備わっていないため、これから設置してもまだ差別化の要因になります。

《 民間賃貸住宅における宅配ボックスの設置率 》

順 位 項 目 割合
1位 宅配ボックスが設置されていない 64.2%
2位 宅配ボックスが設置されている 34.2%
3位 無回答 1.6%

宅配ボックスは、賃貸マンションであれば集合郵便受けが建物内のエントランスにあるため、設置しやすいです。
一方で、アパートは集合郵便受けが建物外にあることから、宅配ボックスが設置しにくいと言えます。
ただし、最近はアパート用の屋外に設置できる屋根付きの宅配ボックスの製品が登場してきました。
そのため、アパートであっても宅配ボックスの設置を積極的に検討することをおすすめします。

賃貸住宅に住む人の年齢

2022年度における賃貸住宅に住む世帯主の年齢別の割合は以下のようになります。最も多いのは30歳未満で、過去5年間の調査においても常に30歳未満が1位となっています。
やはり賃貸住宅の主たるターゲットは、若い世帯が多いということが分かります。

《 賃貸住宅に住む人の年齢 》

順 位 項 目 割合
1位 30歳未満 30.7%
2位 30歳代 26.4%
3位 40歳代 17.4%
4位 60歳以上 12.5%
5位 50歳代 11.8%

また、2022年度における賃貸住宅に住む世帯主の平均年齢は39.4歳で、過去5年間における平均年齢も、概ね39歳前後です。

賃貸住宅に住む世帯の居住人数

2022年度における賃貸住宅に住む世帯の平均居住人数は、2.0人です。
人数別の割合は、下表のようになっています。

《 賃貸住宅に住む世帯の居住人数 》

順 位 項 目 割合
1位 1人 38.5%
2位 2人 31.6%
3位 3人 17.4%
4位 4人 7.5%

居住人数は、1人が最も多く、過去5年間においても1人が常に1位です。
世帯主の平均年齢は30歳未満が最も多い年代でした。
そのため賃貸住宅の主たるターゲットは「30歳未満の単身者」であると言えます。また、2人世帯は31.6%であるため、相応のニーズがあることが分かります。
つまり、3人以上になると急激に割合が減るため、3人以上の賃貸需要は弱いということです。
そのため、間取りを検討する上では、まずは市場調査を行い単身者の入居需要があれば単身者向けのワンルームから検討することが望ましいでしょう。
次に、広めの部屋をつくるのであれば、2人世帯をターゲットとした広めの1LDKもしくは2LDKをつくるのが適切であり、3LDK以上の間取りは、何かしらの根拠がない限りは避けた方が無難と言えます。
なお、賃貸住宅では1室の広さが40㎡以上になると不動産取得税の減免措置があります。
そのため、2人世帯をターゲットとする場合には、40㎡以上の間取りとすると不動産取得税を節税することができます。

高齢者世帯の割合

報告書では民間賃貸住宅における高齢者(65歳以上)が居る世帯の割合も公表しています。
2022年度において高齢者世帯が居る割合はわずか10.6%で、過去5年間の調査においても10%前後となっており、ほとんど増えていません。

《 民間賃貸住宅における高齢者が居る世帯の割合 》

順 位 項 目 割合
1位 高齢者が住んでいない 88.0%
2位 高齢者が住んでいる 10.6%
3位 無回答 1.4%

さらに、高齢者が居る世帯の中で「高齢者のみ」という世帯の割合は65.6%です。10.6%の中で高齢者のみの世帯は65.6%であることから、全体の中で賃貸住宅に住む高齢者のみの世帯の割合は約7.0%(=10.6%×65.6%)ということになります。

《 民間賃貸住宅における高齢者が居る世帯の内訳 》

順 位 項 目 割合
1位 高齢者のみの世帯 65.6%
2位 高齢者が住んでいる 34.4%
3位 無回答 0.0%

近年は高齢者の賃貸ニーズが高まっていると言われていますが、高齢者のみが住んでいる賃貸住宅はまだまだ少ない状況であることが分かります。

賃貸住宅に住む世帯の世帯年収

賃貸住宅に住む世帯の世帯年収

2022年度における、賃貸住宅に住む世帯の平均世帯年収は499万円です。
世帯年収の割合は、下表のようになっています。

《 賃貸住宅に住む世帯の世帯年収 》

順 位 項 目 割合
1位 400万円未満 30.4%
2位 400万~600万円未満 25.2%
3位 600万~800万円未満 16.0%
4位 800万~1,000万円未満 6.1%

過去5年間においても、400万円未満の人が最も多い状況です。
賃料の負担割合は、一般的に年収の3割までに抑えることが妥当とされています。
平均世帯年収である499万円の3割は149.7万円です。
149.7万円を12ヵ月で割ると、1月あたり約12.5万円となります。
平均年収から逆算すると家賃は12.5万円までなら払える人は多いと考えられますが、12.5万円超になると支払いが厳しくなる人が増えると予想されます。

家賃と共益費の平均額

報告書では、賃貸住宅の家賃と共益費の平均額も公表しています。
2022年度におけるに平均家賃は78,069円、平均共益費は4,836円です。
過去5年間の調査においても、家賃は概ね75,000~78,000円、共益費は4,500~5,300円となっています。
家賃と共益費を合算した共込賃料は、80,000~83,000円程度が平均値ということになります。

まとめ

以上、国土交通省 住宅局「住宅市場動向調査報告書」に基づく賃貸需要のデータについて解説してきました。
賃貸住宅の選択理由は「家賃が適切だったから」が1位でした。
物件情報の探索方法は、インターネットが1位であるものの、不動産業者を通じて情報取得する人もまだ多いと言えます。
年齢や居住人数を考慮すると、賃貸住宅のメインターゲットは30歳未満の単身者です。
高齢者だけが入居している賃貸住宅は、まだ少ない状況にあると言えます。
賃貸住宅経営を検討している方は、データを参考にしていただけると幸いです。

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