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賃貸経営の成功率を上げる
エリアマーケティングとは? - 東建コーポレーション

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賃貸経営の成功率を上げるエリアマーケティングとは?

マーケティングとは、顧客のニーズを満たすために企業が行う市場調査や戦略立案、商品開発、広告等のあらゆる活動の総称のことを指します。
そのうち、マーケットの範囲を特定の地域で捉え、地域の需要を分析して行うマーケティング活動のことを「エリアマーケティング」と呼びます。すなわち、エリアマーケティングは、地域密着型のマーケティングと言えます。

土地活用で行う賃貸経営においても、エリアマーケティングの考え方は重要です。
エリアマーケティングを実施することで、賃貸経営の成功率を引き上げることができるためです。

賃貸経営のエリアマーケティングとは、具体的にどのような活動なのでしょうか。
この記事では、「賃貸経営のエリアマーケティング」について解説します。

1.賃貸経営はエリアマーケティングが極めて重要

賃貸経営は典型的な立地産業であることから、エリアマーケティングは極めて重要と言えます。

賃貸経営は収益向上を求めて場所を変えられるビジネスではなく、一度決めた場所から一歩も動かず、経営を続けていくビジネスであるため、エリアマーケティングは必須と言っても過言ではありません。

不動産は「動かせない資産」のため、置かれた場所で花を咲かすしかありません。
置かれた場所で花を咲かすには、地域のニーズをしっかりと捉えることが必要であり、そのためにエリアマーケティングが重要となるのです。

2.賃貸経営におけるエリアマーケティングの基本

賃貸経営におけるエリアマーケティングには、基本となる考え方が存在します。
この基本を押さえた上で、必要な情報を分析していかなければ、地域のニーズを適切に捉えることができなくなります。
この章では、賃貸経営におけるエリアマーケティングの基本について解説します。

2-1. 最寄り駅の特性が大きく影響する

賃貸経営のエリアマーケティングは、最寄り駅の特性が大きく影響する点が特徴です。
そのため、エリアマーケティングでは、まずは最寄り駅がどんな駅なのかを把握します。

具体的には、通勤や通学に便利な路線なのか、電車の本数は多いか、快速や急行は停まるか、他路線への乗り換えは可能か等を調べます。
例えば、通勤が便利で他路線の乗り換えも可能な駅は、若い単身者層の賃貸需要が強いです。
賃貸需要の強いエリアは賃貸経営に適しており、家賃も高く設定することができます。

一方で、地下鉄や私鉄の支線で、電車の本数も少なく、各駅停車しか停まらないような駅であれば、駅の力による賃貸需要は弱くなります。さらに駅から遠くて、賃貸需要の弱いエリアでは、家賃を低く設定するとか、場合によっては賃貸経営を行わないという選択肢もありえます。

2-2. 最寄り駅を中心に同心円状に考える

自営に該当する場合でも、許可を得ればアパート経営は可能

最寄り駅の特性を把握したあとは、最寄り駅を中心として同心円状(中心を共有する2つ以上の円が波紋のように広がる様子)に賃貸需要を考えていくことが基本です。

賃貸需要は、一般的には生活利便性の高い場所に強く発生するため、駅に近い便利な場所ほど強くなります。
駅近の便利な場所は単身世帯もファミリー世帯も賃貸ニーズは強いです。

ただし、賃貸需要の強い場所は家賃の㎡単価も高いことから、3LDKのような賃貸面積が広いファミリー世帯向けの間取りは、非常に家賃が高くなってしまいます。

一方で、ワンルームのような単身世帯向けの間取りは賃貸面積が狭いことから、家賃を許容範囲に抑えることができます。

そのため、駅に近い場所では、ファミリータイプは毎月払うには高過ぎる家賃となり、ワンルームは毎月払える家賃に収まることが多いです。

こうしたことから、駅を中心にした同心円状の上で、駅に近い場所には単身世帯の賃貸需要が残り、ファミリー世帯の賃貸需要は駅周辺部から少し離れる場所に分布するというのが基本です。

2-3. 大学や学区等の特殊な要因が影響する場合もある

賃貸需要は、駅以外にも特定の施設や特殊な要因が大きく影響することもあります。
具体的には、大学が近くにある、学区が良い、高級住宅地としてのブランド力があるといった要因です。

大学が近くにあれば学生の賃貸需要が安定的に存在し、人気の学区であればファミリー世帯からの賃貸需要が安定的に存在します。

賃貸需要に大きな影響を与える施設や特殊な要因がある地域の場合、駅が及ぼす影響は小さくなります。
例えば、大学の近くにある学生街の場合、駅からは離れていても大学には通いやすいため、学生の賃貸需要を捉えることができます。

2-4. 生活利便施設との位置関係も重要となる

エリアマーケティングでは、生活利便施設との位置関係も重要な要素となります。

生活利便施設とは、生活の利便性を高める施設のことです。
生活利便施設にはスーパーやドラッグストア、コンビニ、郵便局、病院、役所、公園等がありますが、特に重要なのがスーパーとドラッグストア、コンビニの3つです。

スーパーやコンビニは食品を購入できることから、どこにあるかで住みやすさに大きな影響を与えます。
また、最近のドラッグストアは薬だけでなく、食品や日用品等の様々な商品を割安で購入できるため、賃貸需要に影響を与える施設です。

また、最寄り駅が同じエリアでも、駅の出口によって生活利便施設がある場所とない場所が存在します。
生活利便施設がない出口側では、賃貸需要が弱く、賃貸経営をするなら、最寄り駅と物件との動線上に生活利便施設が存在する立地が望ましいでしょう。

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2-5. 賃貸需要は時代と共に変化する

地域における賃貸需要は固定硬直的なものではなく、時代と共に変化していくことが特徴です。

例えば、地域の中で核となるスーパーや商業施設が撤退すると、賃貸需要が減退することがあります。
逆に再開発が行われるエリアや新駅ができるエリア等では、賃貸需要が強まることが多いです。

再開発や新駅の情報は、3~4年先の話であれば各自治体で調査することができますので、地域の情報を把握する際は、再開発等の動向も確認しておくことが望ましいでしょう。

3.賃貸経営のエリアマーケティングのポイント

この章では、賃貸経営のエリアマーケティングのポイントについて解説します。

3-1.ミクロとマクロの視点を組み合わせた多角的な分析

エリアマーケティングにおいては、ミクロ視点とマクロ視点の両方をバランス良く取り入れ、多角的に分析することが重要です。

例えば、駅に近い立地で周辺の賃貸物件の入居率が高く、生活施設も充実しているなどミクロな視点での好条件が見られたとしても、マクロな視点で見るとその市区町村全体の人口が減少傾向にあり、賃貸住宅の供給が過剰であるという状況であれば将来的なリスクを考慮する必要があります。

逆に、一時的に空室が目立つエリアでも、近隣に大規模な商業施設の開発計画があり、将来的な人口増加が見込まれるのであれば、長期的な視点で見ると土地活用を始めるチャンスとなる可能性もあります。
したがって、土地活用を成功させるためには、ご所有地周辺の状況だけでなく、地域全体の将来的な動向も踏まえ、総合的な判断を行うことが求められます。

ミクロとマクロの視点を組み合わせた綿密なエリアマーケティングこそが、安定した賃貸経営の羅針盤となるのです。

3-2. 実際に計画予定地の周辺を歩いてみる

エリアマーケティングでは、実際に計画予定地の周辺を歩いてみることも重要です。
実際に歩いてみると、地図では分からない情報を知ることができます。
例えば、駅から計画予定地の間に交通量が多く危険な道や薄暗い通りがあれば、賃貸需要を弱める原因になりかねません。

入居希望者様も周辺を歩いて物件を決める人が多いため、入居者様の気持ちになって歩いて情報を集めることは有効です。

3-3. 賃貸物件の供給状態を調査する

エリアマーケティングでは賃貸物件の供給状態を調査することも重要です。賃貸物件の供給状態は、地域の貸家着工戸数や、近隣物件の間取り別の入居率等を調べることで確認できます。

しかし、エリアマーケティングは地域の賃貸需要(ターゲット)に合わせて物件(間取り)を供給することから、皆同じように考え、将来的に似たような間取りの物件が過剰に供給される事態を想定しておくと、さらに堅実です。

類似の間取りが供給過剰になった場合、入居者様から優先的に選んでもらえる強みがあることが重要となります。具体的には、耐震性などの建物性能や、入居者様に人気の住宅設備、ペット共生など、競合物件に勝てる強みを持った物件であることです。

4.賃貸経営の成功率を上げるエリアマーケティング まとめ

賃貸経営の成功率を上げるエリアマーケティングについて解説してきました。
賃貸経営のエリアマーケティングとは、地域の賃貸需要(ターゲット)を分析し、市場に適した物件(間取り)を供給することを指します。

賃貸経営におけるエリアマーケティングは、「最寄り駅の特性が大きく影響する」や「最寄り駅を中心に同心円状に考える」等が基本で、エリアマーケティングを行うには「ミクロとマクロの視点を組み合わせた多角的な分析」や「実際に計画予定地周辺を歩いてみる」「賃貸物件の供給状態を調査する」がポイントとなります。
賃貸経営のエリアマーケティングを検討する場合に、参考にしていただけると幸いです。

東建コーポレーションでは、事業プランニングに対する「4つの適正審査」を実施しており、適正審査のメニューには「市場調査判定」が含まれています。
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